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ネイチャー&サイエンスカフェ Vol.2『わらの家から住まいと暮らしを見直す ~失われつつあるつながりを取り戻すために~』

11 月27日(月)、東京渋谷にあるモンベルクラブ5Fのサロンで行われた「ネイチャー&サイエンスカフェ Vol.2」でスローデザイン研究会世話人の大岩剛一が講演をしました。伊藤信子さんの司会に始まり、大岩は80点もの里山やわらの家の写真をもとに、自 身の子供時代の原風景から現在の都市の姿、その在るべき姿を語り問いかけます。

大学生から専門家まで、年齢もまちまちの参加者の方々から、自己紹介と同時に多くの質問がとび出し、最後は異例の二次会にまで発展するという、積極的なディスカッションの場になりました。

家やまちに関わるひとりひとりの心の原風景を掘り起こし大切にしていくことが、未来の私たちの暮らしを豊かなものにしていく。今回の講演から、私自身も強 くそのことを再確認させられ、自身に問いかけなおす良い機会となりました。

(報告:上村彩果)

【日時】
11月27日(月) 18時00分開場18時半~20時

【場所】
モンベルクラブ渋谷店5Fサロン(03-5784-4005)
東京都渋谷区宇田川町11番5号モンベル渋谷ビル
【主催】
伊藤企画・伊藤信子

成安造形大学芸術文化交流センター公開講座「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2006講演会」

11 月22日、成安造形大学で大岩さんの「命とつながる住の物語」の講演会に参加しました。多くの学生や社会人の方が時折メモをとりながら熱心に聞いていまし た。まず前半は大津市仰木の自然風景とニュータウンの写真を使った里山のお話。後半は「藁舎」の施工写真を紹介しながらストローベイル・ハウスのお話。お 話を聞いていて、里山にはおばあちゃんの知恵袋がたくさんあるなと思いました。柿の皮の再利用や、村中を走る命の源であるイゼと呼ばれる無数の水路など。 ひとつひとつに意味があり、無駄がなく、自然界でみんながつながっている。里山とはそういうところなんだと感じました。
しかし、今私たちが暮らしている都会はどうだろう?干し柿吊るす家はめったに見ないし水路もない。あるのは味気ないコンクリートのドブくらい。マンション 暮らしの友人は、住人同士会っても挨拶しないと言います。つながっていない。なぜだろう?食料はスーパーで常に入手できるし、エアコンの存在で一年中窓を 閉めきっていても快適に過ごせる。すばらしい事なのか、さみしい事なのか・・・。では家にいる時間が多くなった私たちにとって、家は安全なのか?高断熱、 高気密、石油からできたビニールクロスで覆われた室内。家は呼吸できていない。そんな家に私たちは身を置いている。自分まで呼吸できなくなったら・・・。 とても怖いことだ。
ところでストローベイル・ハウスはどうだろう。圧縮したワラを積み上げ、上からみんなで楽しそうに手で土を塗っている。牛のえさになるワラ。お正月のしめ 縄に使われているワラ。人間にとっても動物にとっても身近に使われてきたワラ。そんなワラと土でできているストローベイル・ハウスは、エアコンがなくても 夏は涼しく冬は暖かい。家が呼吸している証拠だ。ストローベイル・ハウスは自然とつながっている。そう感じました。人と人。人と自然。自然と自然。つなが ることの大切さを改めて実感した講演会でした。

(報告:金田とよみ)

【日時】
2006年11月22日(水)17:30~19:00

【場所】
成安造形大学 本部棟3Fホール 定員200名

【主催】
成安造形大学芸術文化交流センター

【後援】
大津市・大津市教育委員会

【講師】
大岩剛一

GNH「豊かさ」を問い直す ブータンナイト~「GNH」に学ぶ 世話人の大岩剛一がブータンを代表する音楽家ジグメ・ドゥッパさん、 スピリチュアルツアーオーガナイザーペマ・ギャルボさんと共演。

ストローベイルが醸し出す落ち着いた雰囲気とやさしい照明、テーブルもカウンターも満席の中でイベントは和やかに始まりました。
ブータンの民族衣装をまとったペマ・ギャルボさんが、スライドを見せながら、自然や動物と共生するブータンの信仰と生活について語ってくれました。
ジグメ・ドゥッパさんは伝統的な弦楽器や笛を奏で、時に楽しいステップも交えながら、全身に心地よく響くブータンの民謡をゆったりと聴かせてくれました。
最後に当研究会世話人・大岩剛一とブータンのお二人によるトークセッションが行われました。
三人とも、ブータンと日本は民族的にも文化的にも本当によく似ている、先祖は同じだと意見が一致していました。同じ先祖を持ちながら、すでに経済発展をした日本と、まだ伝統的なコミュニティーや文化が生活の中に残るブータン。
「日本人は経済的に豊かになる中で、自分たちの小さな村をこわし、大きな都会へ出てきた。
そして都会で暮らすうちに、自分が誰だか分からなくなってしまった」
というジグメさんの言葉が、現代に生きる私たち日本人の存在感の頼りなさを言い当てられたようで、心の奥に響きました。

「破壊をともなう経済発展は、政府や資本だけが推し進めたのではない。その中には、自分たちの生活や文化を恥ずかしく思い、自ら捨ててしまった僕たち自身がいた」
という大岩の言葉に、ジグメさんが 「ブータンでも開発による自然破壊は進んでいる。しかし自分たちが便利な都会に住んでいて、地方の人々に開発をやめろとは言えない。今も、村に電気が来たと言って大喜びしたり、その日を心待ちにしている地方の人が沢山いる」
と応え、経済発展と幸せとの関係について深く考えさせられました。

カフェコモンズという場所の力も相まって、まさに五感でGNHについて思いをめぐ
らせた素敵なイベントでした。

(報告:和久愛子)

* “GNH”は「Gross National Happiness」の略称。GNP(国民総生産)のP(Product)H(Happiness)に代えた造語です。

【日時】
11月16日(木)PM19:00~21:00

【場所】
大阪府高槻市富田町、「カフェ・コモンズ

【主催】
ナマケモノ倶楽部

【後援】
外務省ブータン王国名誉領事館日本ブータン友好協会

【助成】
国際交流基金

「Be-PAL」No.306、2006年12月号(小学館 2006年11月10日発売)

わらの家』(大岩剛一著)が「青空図書館」の新刊紹介で取り上げられました。

※バックナンバー紹介ページはこちらからご覧ください。

TOKYO POETRY PLAY PARK ● 詩展[SHIIAWASE -詩居合わせ-]2006 11月3日~5日


11月4日土曜日 秋の日暮れ時に 東京は目白の静かな古民家「ゆうど」でトークセッションが行われました。
詩展SHIIAWASEのプログラム、2日目のメインイベントです。
ゲストは急遽出演の決定したスローデザイン研究会世話人の大岩剛一と高尾の山でツリーハウスを運営する「虔十の会」代表の坂田昌子さん。
「ストローベイルハウス」と「ツリーハウス」のセッションでもあります。
たがいの家の持つ特性や共通点について話し合いながらコーディネーターで詩人の53(ゴーサン)は しあわせってなんなんだろう。ことばって、表現することっていったいどういうことでしょう、と問い掛けます。
たいせつなことは、まず「自分の眼でせかいをしっかり観る」ことだと、世話人大岩剛一は語ります。坂田さんも「大好きな高尾の山で眼を閉じて耳を澄ますと、そこにある自然の呼吸に包まれ、安らぎをもらう」と。
人間主体で造ってきた都市や家のほんとうの在り方をみつめること。
自分にとって本当に心地よいものを知ることで
それぞれのしあわせ、表現のカタチが見えてくる。

途中、お抹茶と、干菓子を頂きながら 途中、会場のお客さんに自分のシアワセを
発表してもらったり。古民家のギャラリーで時間はあっと言う間に過ぎていきました。

(報告:上村彩果)

【日時】
11月4日(土)

【場所】
目白・古民家「ゆうど」

【主催】
詩展SHIIAWASE運営委員会

【コーディネーター】
詩人53(詩展SHIIAWASE運営委員会代表、詩人)

10月14日(土)出版記念イベント開催  『わらの家』出版記念の集い「わらの家と懐かしい未来」

東京都府中市の「カフェスロー 」で、このたび絵本『わらの家』を出版したスローデザイン研究会世話人の大岩剛一が、「スロー」というコンセプトを軸に環境=文化運動を展開する辻信一氏(文化人類学者、明治学院大学国際学部教授)と「わらの家と懐かしい未来」と題する対談を行いました。

ゲストとして駆けつけてくださった日大教授でパーマカルチャー・センター・ジャパン代表理事の糸長浩司氏、本の挿絵を描いた蔭山歩氏による講演と挨拶、主催 者でもあるカフェスロー代表の吉岡淳氏、出版社を代表して堀込一博氏の挨拶もありました。挿絵の原画展が同時開催される中、およそ3時間にわたるなごやか で愉しい出版記念イベントになり、大いに盛り上がりました。

(報告:竹村智子)

【日時】
10月14日(土)PM12:00~15:00

【場所】
東京都府中市栄町「カフェスロー

【主催】
インデックスコミュニケーションズ、カフェスロー

【協力】
ナマケモノ倶楽部、スローデザイン研究会

「ソトコト」No.89、2006年11月号  (木楽舎  2006年10月5日発売)

「わらの家はスローなデザイン。消えつつあるつながりを再生する」
辻信一さんが連載中の「Dialogue Slow is Beautiful」で、新刊書『わらの家』を中心に「スローデザインと懐かしい未来」について大岩剛一と対談しています。

「ecocolo」No.7、2006年10月号 (エスプレ 2006年9月20日発売)

「懐かしい未来の食べ物と家」
辻信一さんが新刊紹介コーナー「ecocolo republic」で、島村菜津著『スローフードな日本!』と大岩剛一著『わらの家』を紹介しています。

※バックナンバー紹介ページはこちらからご覧ください

『わらの家』(子どもたちに伝えたい家の本シリーズ No.17「くうねるところにすむところ」)


大岩剛一著、インデックス・コミュニケーションズ 2006年7月24日発売、1600円+税

「家と家族」のあり方をもう一度再構築するために、建築家が子どもと同じ目線で分かりやすく家を語った、家族みんなで読める画期的なシリーズ「くうねるところにすむところ」(芦原義信賞受賞)のシリーズ17番目。

施主自らが参加してつくるストローベイル・ハウスを通して、命とつながることの大切さ、家づくりの楽しさ、わらという素材のもつ哲学を語っ ていきます。

前書きから…

わらの家をつくること。
それは、建築家として家づくりに携わってきたこの30年間に、
ぼくが失ってきた実に多くのものと、遅ればせながらつながり直す
旅でもあるのです。
小さなもの、つつましいもの、失われたもの、ゆるやかに循環する
ものとつながり直すこと。
手間ひまかかる家づくりという古くて新しい物語を掲げ、
住まいと私たちとの間にもう一度血の通った関係を築くこと。
これが、ぼくがこの本に込めた思いです。

「月刊 ふるさとネットワーク」 7月号 (ふるさと情報館 2006年7月4日発売)

表紙の裏面の「巻頭呟」(「太陽と大地のぬくもり・藁の家」)で「藁舎」が紹介されています。

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